国定「萬山岩雕」考古遺跡群 山奥の神秘的なトーテム
国定「萬山岩彫」考古遺跡群は、岩の表面に不思議な模様が彫刻された遺跡であり、先史時代の住民による原始的な芸術作品である。現在、台湾の他の地域では、これに類似した遺跡は発見されていない。「萬山岩雕」は高雄市茂林区のかつてルカイ族の古い集落が存在した原始林の中にあり、ここへ辿り着くには山中を4日ほど歩く必要がある。ルカイ族に伝わる「蛇を食べた女」の伝説は、この岩雕り遺跡に神秘的な色彩を与え、人々の興味をかきたててやまない。
その伝説は、このような物語である。昔々、ルカイ族の住む萬山に他の部族から嫁入りした女性が、その地に生息する百歩蛇を食べた。だが、百歩蛇を一族を守る祖霊として深く信仰する萬山の人々は、女性を一族から追い出した。彼女は夫と大きな岩の前で会う約束をした。女性は夫を待ちながら、その岩に指で絵を描いたという。この物語の舞台は、「萬山岩雕」を構成する岩彫遺跡の一つである「グバツァエ(Gubatsaeh)」がある場所だ。
1978年、屏東師範学校(当時)の教員を務めていた高業栄教授は、萬山に暮らす原住民による案内のもと、第1号遺跡「グバツァエ(Gubatsaeh)」と第2号遺跡「ツブリリ(Tsubulili)」を発見した。1984年には、第3号遺跡「サナギナエ(Sanaginaeh)」、2002年には第4号遺跡「タカルラヴォエ(Dakarau)」が発見された。台湾文化部は、2008年にこれら4カ所に集まる14の遺跡を国定「萬山岩彫」考古遺跡群として正式に登録した。
「グバツァエ(Gubatsaeh)」とは、萬山の言葉で「模様のある石」を意味する。その名のとおり、岩彫遺跡の中でも最も装飾豊かな遺跡で、人の姿やサークル状の模様が描かれている。
これらの遺跡を守るため、高雄市文化局は2021年、住民による見守り隊を形成し、乾季に山中を巡回するなど住民と共同で遺跡の管理を行っている。見守り隊のリーダーを務める曽銘輝さんは、若い世代の故郷に対する愛着を育てるため、集落の若者たちにも萬山の遺跡を共に守るように呼びかけている。
「國定萬山岩雕考古遺址」刻鑿於岩石表面的圖形是臺灣早期住民原始的藝術遺跡,目前在臺灣其他地區尚未發現類似遺址。「萬山岩雕群」位於高雄市茂林區魯凱族萬山舊部落的原始森林中,想看到岩雕得跋山涉水4天,而流傳在魯凱族原住民「吃蛇的女人」的神話故事,為岩雕增添神秘色彩,引人入勝。
「吃蛇的女人」的神話故事講述一位嫁入魯凱族萬山社的異族女子,烹煮百步蛇食用,但萬山人視百步蛇為守護祖靈,不可褻瀆的象徵,女子因而被夫家逐出家門,她與丈夫約定於大石處見面,等待期間女子以手指在岩塊上作畫,相傳故事的場景就在「萬山岩雕群」的「孤巴察峨」(Gubatsaeh)。
1978年,任教屏東師專的高業榮教授,在萬山族人帶領下發現第1及第2座岩雕遺跡「孤巴察峨」及「祖布里里」;1984年發現第3處岩雕「莎娜奇勒娥」;2002年,又發現第4處岩雕「大軋拉烏」,文化部於2008年正式公告指定為「國定萬山岩雕群考古遺址」,共有4處14座岩體。
「孤巴察峨」萬山語為「有紋樣的石頭」之意,是岩雕群中紋飾最多、最豐富的一座,岩石表面刻鑿人像紋、圈狀紋等紋飾。
為維護萬山岩雕,高市府文化局於2021年成立部落巡守隊,乾季期間上山巡查,與部落共同管理萬山岩雕遺址,部落巡守隊長曾銘輝鼓勵部落青年共同守護萬山的資產,培養年輕一輩對家鄉的認同感。