高雄でバリアフリー旅行
◎文/李定遠 ◎翻訳/新垣李加子 ◎撮影/黄敬文、Carter
旅行者の誰もが伸び伸びと旅ができ、港湾都市としての魅力を感じてほしいとの考えから、高雄市では様々な人に優しい旅行プランの普及を試みている。高雄市政府観光局では、市内観光地に専門家を派遣して視察を行い、高齢者や妊婦、子どもや体の不自由な人にも便利なように、バリアフリー設備の改善を行っている。さらに、「蓮池潭風景区」「高雄港エリア」「北高雄」の三つの場所に、バリアフリーコースを設定している。
蓮池潭風景区
一つ目のコース「蓮池潭風景区」では、蓮池潭の周りにある龍虎塔や春秋閣、玄天上帝神像、孔子廟といった高雄の有名スポットを巡りながら、池に浮かぶ美しい東屋も鑑賞できる。また、蓮池潭のそばにある老舗菓子店「中外餅舗」では、台湾の伝統的なお菓子を味わうことができる。
高雄港エリア
二つ目のコース「高雄港エリア」は、海と陸の美しい風景を同時に見られる最高の場所だ。まずは「旧打狗駅故事館」、ここは旧台鉄高雄港駅に開設された鉄道博物館だ。続いて澄み切った青い海が望める湾に沿って、ショッピングや食事が楽しめる複合施設「棧貳庫 KW2」を散歩し、現代アートの広場「駁二芸術特区」へと向かう。最後に、水平旋回橋「大港橋」まで行くと、「高雄流行音楽中心」など高雄港の風景を望むことができる。余裕があれば、そのまま西子湾の夕日を眺めながらライトレールで移動し、夢時代駅で降りたあと、観覧車に乗って空からの風景を楽しむルートもおすすめだ。高雄ライトレールは、ホーム・車両ともに低床設計となっていて、体の不自由な乗客やベビーカーを押した乗客でも落ち着いて乗り降りできるようになっている。
北高雄
三つ目は「北高雄」コースだ。朝、北高雄に向かい、まずは「阿公店水庫森林公園」へ向かおう。吊り橋から湖と山を眺めれば、気持ちも軽やかになるはずだ。次は「崗山之眼」エリア。ここのメインスポットである天空廊道(スカイウォーク)から望む遠景は、息を飲むほどすばらしい。その後は、北高雄で唯一心身障害者運動健康エリアに指定されている「橋頭区竹林公園」で体を動かそう。エリア内には障害のある人でも使えるスポーツ施設があり、バスケットボール、テニス、卓球などが楽しめる。その他、無料で借りられる手漕ぎ自転車などもある。自転車で製糖工場の長い歴史を紹介する「台湾糖業博物館」まで行き、アイスキャンディーを食べながら涼むのもいいだろう。
観光局では、高雄市内各区のバリアフリー観光スポットをまとめた旅行冊子を作成している。すばらしい建築物やアジア新湾区、漁港を訪ねる旅など、それぞれ特色を持ったスポットが紹介され、路線図やバリアフリー化店舗などの情報が多数掲載されている。これを見れば、高雄の多様な風景を体験し、楽しむ手助けになるはずだ。