Love Kaohsiung 愛.高雄No.312024/06
左営区「自由黄昏市場」への誘い
高雄市左営区の「自由黄昏市場」は多様な食材や惣菜が集まる巨大市場で、高雄っ子の日々の買い物や食事に欠かせない場所だ。市場の面積はとても広く、衣食住のすべてが揃う。昔と違って肉類は冷蔵庫で安全に保管されているが、その場で小さく切ってくれるなど、伝統市場らしいサービスは健在だ。青果店にはありとあらゆる野菜や果物が並び、ショッピングカートで便利に買い物できる。
「主婦連盟環境保護基金会」南部事務所の講師を務め、三児の母でもある王巧溱さんも、自由黄昏市場の常連客だ。王さんによれば、近代的なスーパーマーケットに比べると、伝統市場には季節の食材が豊富にあり、直に手に取って確かめられるのが魅力だという。「伝統市場の良いところは、やはり食材が新鮮で種類も多く、変化に富んでいることです。産地や食材について店主のお話が聞けるのも楽しいですね」台湾地産の虱目魚(サバヒー)をその場でさばいたり、エビの殻をむいてくれたりする海鮮店もある。また、持ち帰ってすぐに料理できるよう、アサリとバジルなどよく使う組み合わせの食材をあらかじめセットにして売る店もある。
惣菜の店も豊富で、手作りおこわ、碗粿(ワーグイ ※具材入りの米粉を蒸した料理)などの台湾料理から、厚焼き玉子、ローマ風ポルケッタサンドなどの外国料理まで、各国の料理が目白押しだ。惣菜店のオリジナル料理をよく購入するという王さんは、「常連客のために取り置きや半調理をしてくれるお店もあって、まるでVIPになった気分ですね」と嬉しそうに語る。
賑やかな掛け声の飛び交う中、行列に並ぶ人々の顔は期待に満ちている。人々はここで集い、交流し、食とともに熱い人情を交わし合う。これこそが、黄昏市場の魅力だといえよう。