癒しの禅空間「正思惟斉製茶」
都市の雑踏に、こつぜんと現れる静謐な禅空間。高雄駅付近の古い街角で長年放置されていた2階建てのトタン建築をリノベーションした「正思惟斉製茶」の店舗は、そのすぐれた建築技法と芸術性が評価され、米国の「Architecture Master Prize(AMP)2022」やドイツの「Iconic Awards 2023」など、国際的な建築アウォードを次々と受賞した。
建築デザインのコンセプトについて、店主である林東献さんに尋ねると、「アーティストである劉耿一氏の台南郊外にある個人美術館を訪れたとき、天窓が自然光を取り入れ、気流や温度を調整する役割をはたしているのを見て、とても感銘を受けました。そしていつか、このような茶の美術館を開きたいと思いました」との答えが返ってきた。
建築の内外をつらぬくメインインスピレーションは「茶」。新たな外壁で建物の動線が変更され、北側の入口にはゲストを玄関まで導く竹垣、玄武石の板石、白玉砂利が施されている。澎湖諸島の砂を用いた外壁は優雅なカーブが美しい。建築のあちこちに見られる「入」の字をモチーフとしたデザインは、「人の入口であり、茶の入口である」ことを意味しているという。
外壁は現代建築でよく見られる打ちっぱなしのセメントではなく、白色セメントに澎湖諸島の白砂を混ぜた被覆が施され、素朴で温かみのある手触りを残している。澎湖の砂を用いた建材は、断熱性と防音性にすぐれ、多孔質の特色をもつことから空気中の湿気を吸収し、建物の呼吸を助ける。林さんは「実際に住んでみたところ、冬は暖かく、夏は涼しく、風通しも良いんです」と笑顔を見せた。
林さんは製茶に携わって約40年、発酵度の低い高山茶や自然な甘みの「蜂蜜&キャラメル紅茶」など、時代のニーズに合わせた各種オリジナル茶葉を創作してきた。一方で、炭焙烏龍茶や凍頂烏龍茶などの伝統的な茶葉は今でも伝統技法にこだわり、龍眼の木炭を用いてひとつひとつの手順を守りながら、三日三晩つきっきりで焙煎しているという。時代を先取りする斬新な建物の中で、台湾茶道の悠久の文化が育まれているのだ。
鄰近高雄後火車站老社區巷弄內的閒置雙層鐵皮屋,在「正思惟齋製茶」進駐後,成為一道繁忙城市中的禪意留白,融合建築技藝與藝術的經典設計,更接連榮獲2022年美國建築大師獎和2023年德國標誌性建築設計獎。
提到設計構想,正思惟齋製茶負責人林東献表示,「藝術家劉耿一在臺南鄉下的私人美術館是一座無窗的清水模建築,天窗引入自然光,調節氣流和氣溫,我非常喜歡,希望有一天也能蓋出這樣的茶美術館。」
「茶」是貫穿內外的主要靈感,新外牆改變原有動線,開闢坐南朝北的新入口,以竹籬笆、玄武岩踏板、漢白玉石鋪地為引道迎賓。澎湖砂牆砌成優雅的開口弧度,將「飲茶入口」的「入」字融入建築語彙,林東献解釋:「這是人的入口,也是茶的入口。」
建築外牆材質捨棄現代建築常見的清水模,採用白水泥混合澎湖白砂披覆牆面,以粗抹方式留下溫暖手感。澎湖砂建材有效阻絕熱源和吸收噪音,且建材多孔隙特性能吸附空氣中的濕氣,使建物呼吸調節,林東献滿意地說:「住進來以後覺得冬暖夏涼,乾爽通風。」
開創性的建築設計內,蘊藏臺灣茶的悠遠文化。林東献投入製茶近40年,應市場需求推出輕發酵的高山茶及自帶熟甜香與蜜香的胭脂紅茶等創新茶品,雖然使用龍眼木炭焙製茶的過程繁複耗時,需要好幾天不眠不休地看顧,但他仍堅持以該傳統工法炭焙烏龍茶和凍頂烏龍茶。