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「円夢新声合唱団」 東南アジアの旋律

 高雄市旗山区円富中学校「円夢新声合唱団」の子どもたちが、台湾では聞く機会の少ない東南アジアの楽曲を高らかに歌い、民族融和の美しいハーモニーを響かせる。

撮影:Carter
撮影:Carter

 同中学校では、6年前に生徒の4割以上がベトナム、インドネシア、タイ、カンボジア、ミャンマーなどの国から台湾へ移民した「新住民」の子どもたちとなったことから、合唱をつうじて母親の祖国の文化を理解してもらいたいという理念のもと、「円夢新声合唱団」が設立された。子どもたちが歌で母国語を学ぶことで、家庭内での対話や理解が深まり、多くの母親たちが感激したという。

撮影:Carter
撮影:Carter

 同校で生活指導主任を務める徐苑馨先生は、合唱団が成立したばかりの頃、子どもたちはなかなか歌詞が覚えられず、退団者が多い時期もあったと振り返る。語学教師が一字一句、丁寧に意味を教え、楽譜に中国語や英語で発音を記入するといった努力を重ね、なんとか苦難を乗り越えた。家が遠い子どもたちのために、先生が交替で車で送り迎えすることもあったという。

 母親がベトナム出身の力佩婕さんは、「家では主に中国語や台湾語を使っていて、母親の母国語を学ぶのは簡単ではないですが、頑張りたいです」と意欲を見せる。

撮影:Carter
撮影:Carter

 合唱団の指揮者を務める陳俊志さんは、純真な子供たちに無限の可能性を見出している。コンクールに参加するだけではなく、介護施設やデイケアセンターなどの校外施設を積極的に訪問することで、子どもたちの視野が広がり、お年寄りへの思いやりや寄り添いの心も育っているという。子どもたちの歌声が、新住民の文化への理解を深め、地域社会や家庭の重要な架け橋となっている。

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